富士吉田市産業ビジョン策定

     富士吉田商工会議所創立60周年事業
            =富士吉田産業ビジョン=
 Greater富士吉田/Greater富士山 〜富士吉田のあるべき姿へ〜

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本報告書は富士吉田の活性化を目指す商工会議所および域内各団体のこれまでの蓄積を参考にしつつ、2011年度に地域のビジョンを描いたもの。

第1章:富士吉田の現状と課題
富士吉田は暮らしやすい地域である。しかし経済状況が全国、山梨県、近隣に比べ停滞。また近隣より人口の減少と高齢化が著しい。

第2章:地域活性化の成功モデル
地域活性化には「階段モデル」が存在する。適切な時期に適切な取組みをすることが重要。
○地域活性化の成功には、通常の企業経営と同様に、理念、戦略、戦術の 3要素が欠かせない。全国の成功事例を研究すると、より詳細な5段階で取組んでいることが分かる。これを「地域活性化の階段モデル」と定義する。
○近年の地域活性化成功事例は、【3】戦略・ハードの整備よりも【2】戦略・ソフトの整備が先行している。また【5】戦術・情報発信に力を入れている。この2つ、およびその基礎にある【1】理念の策定には、これまで富士吉田市が十分取組めていない。












第3章:Greater富士吉田/Greater富士山
当地域の活性化はGreater富士吉田/Greater富士山の単位で取組むべき。そして「聖」と「俗」の境界線を引き直すことが重要。
○外の人は、吉田や河口湖ではなく、富士山・富士五湖でブランドを認識 している。外から人・金・物を呼び込むためには、この確立ブランドの活用と強化が重要。
○このブランドを軸に「地域活性化の階段モデル」を適用すると、力を入れるべき「戦略・ソフトの整備(例、入山税導入)」や「情報発信」は、 現在の市区町村の単位では取組めない。
○また富士山の潜在力を引き出すには、薄らいでいる「聖」と「俗」の境界を引き直し、「霊峰」を際立たせることが有効。これも広域で行う必要がある。
○以上を踏まえると、まず当地域では取組みの単位を、富士吉田からGreater富士吉田/Greater富士山に移すことが必要。

境界線の再定義には、「門」の創出が有効であり、かつて富士吉田が「門」としての役割を果たしていたことを象徴する「北口本宮冨士浅間神社」が現存する。この資産を活用し、「現代の富士山の門」の役割を果たすことを、 富士吉田のあるべき姿として提唱する。














第4章:取組みの具体論
今後の発展の為には、産業の活性化と人口対策、暮らしやすさの向上が必要。その為に5つの柱で取組みを進める。
1. 門前町プロジェクト
金鳥居から北口本宮冨士浅間神社までの区間を、参拝者が滞在し楽しむことが出来る「門前町」として整える。
門前町を形成するためには、浅間神社の前は人が歩き滞留できる空間であることが望ましい。その為に、国道138号を地下化することが出来ないか。
導線となる場所に、鳥居などのシンボル・案内を整備。富士吉田を「富士山の門」として印象付け、門前区域への誘導につなげる。
富士みちは「眺望」「水」「坂=富士山麓」「御師のまちなみ」が活きるよう整備。
門前区域の景観は条例での規制が必要ではないか。当初から強制力ある条例の導入が難しい場合は、自主規制や基金の制定から入る選択肢もある。











2. 企業誘致・企業活動推進プロジェクト
清らかな水を富士山のブランドイメージ向上に活用し、地域の「門」の役割を経済の面から支える。
富士吉田は水関連企業が拠点を築きやすい場所といえるが、コントロール不足ともいえる。
新屋の工場適地周辺は既に水や食品の工場があり、自然環境も良好であり、水のリクリエーション地区への指定も検討の価値があるのではないか。

3. ダウンタウン・プロジェクト
下吉田の魅力を高め、門前地域への来訪者が滞在できる空間・時間のすそ野を広げる。
増加する「門前地域」への来訪者を下吉田へ誘導するため、以下のような取組みが有効ではないか 。
・人力車・馬車を走らせることなど「門前区域」との導線を強化
・マップ等を整え、下吉田駅/月江寺駅まで歩くことを誘発
・飲食店などを充実させ、下吉田の魅力を向上

4. ホームタウン・プロジェクト
住みやすいまちとしての基盤を強化することで、地域全体で「門」の役割を支えると共に、地域と外とのつながりを持続的なものにする。
・暮らしやすさの向上
・二地点居住・勤務の推進

5. Greater富士吉田/Greater富士山発信プロジェクト
訪れる人の視点から情報を分かりやすく魅力的に整理し、インターネットを中心に公開する。

終わりに
これらの取組みの先に描くことは、日本の象徴としての富士山ブランドの再構築・再発見である。時代の流れに沿った魅力向上に努め、かつて富士講として全国の人々と結んでいたつながりを再び強めることで、国際化の進む現代の日本人の心のよりどころとしての役割を、今よりも更に果たせることを視野に置く。富士山の魅力向上を支える資金を全国から募ることも選択肢であり、本ビジョンの実現は一地域の活性化の問題に留まらない。